糖尿病の治療として行われる食事療法と運動療法を並行して行うことが血糖値を下げるための基本的に有効な治療方法となっています。食事療法と運動療法の効果とその方法についての説明をします。また2つの治療を行っても血糖値のコントロールが難しい時に行われる薬物治療の説明をします。
糖尿病にとって、食事療法はとても大切なことになります。特に血糖値は食事と密接な関係にあり、食事でブドウ糖を大量に摂取すると、インスリン不足の糖尿病患者にとっては血糖値が上昇します。この血糖値上昇を防ぐためにも、食生活で注意しなくてはならない点があります。@年齢や性別、身長や体重、病状の進行具合などによって異なりますが、適切なエネルギー量を守る。A特にこれは食べてはだめという食品はありませんが、偏りのないバランスの良い食事を取る。Bアルコール、お菓子など甘いものは中性脂肪を増やす、血糖値上昇の原因となるので控える。C食物繊維は、コレステロールを減少させ、脂質の吸収を抑える効果があるので、メニューにバランスよく取り入れる。D1日全体の摂取量(カロリー量)が同じでも、1食だけで全カロリーを摂取してしまうと血糖値は上昇してしまうため、3食に規則正しい適量を食べる。このように糖尿病は、今までの食生活の問題点を認識した上で、見直しをする必要があります。
糖尿病にとって、食事療法は有効な治療法となっていますが、これと平行して運動療法を行うことによって、糖尿病の症状が改善されることがあります。特に運動療法は、血糖値を下げる働きと体重を減らすという効果があります。しかし合併症がある人は、病状を悪化させる危険性もありますので、主治医に相談する必要があります。糖尿病にとって効果的な運動は、ウォーキングやジョギング・水泳などの有酸素運動です。有酸素運動は、運動開始後は血液中の糖質を主に使うので、血糖値はインスリンの力だけに頼らずに下げることができます。また有酸素運動を始めて20分間後から体脂肪(内臓脂肪・皮下脂肪)の燃焼が始まります。体脂肪の燃焼は軽い運動を持続して行うことにより、内臓脂肪の代謝が活発になるため、体重を落とすことになります。血中の脂肪を減少させ、悪玉コレステロール(LDL)の量を減らし、善玉コレステロール(HDL)を増やすことができ、動脈硬化の予防にも効果的です。血液中の脂肪が減ると血液の流れも良くなり、抹消の毛細血管へも酸素や栄養が運ばれることになり、代謝機能も高まります。運動を行うことで、心臓の筋肉が鍛えられ心肺機能が強化されます。運動は食後に行うことが良いとされています。血糖値は食後1時間から1時間半ほどでその値がピークとなります。そのため食後1時間ぐらいで運動を始めると血糖値を抑えるのに効果的です。急激な運動を行うよりも、日常生活の中で無理のない運動を、毎日続けることが大切です。
1型糖尿病に関しては、インスリン注射を行う以外の薬物療法はありません。2型糖尿病に関しては病状の進行程度によってもその治療が異なります。基本的には食事療法と運動療法で、生活習慣を改善することによって血糖値を安定させる指導・治療をしていきます。しかし、この2つの治療で血糖値コントロールがうまくいかない場合、薬物治療が行われます。薬物療法には「経口血糖降下薬」と「インスリン注射」の2種類があります。「経口血糖降下薬」は、使用目的や作用によって数種類の薬を併用することがあり、すい臓からインスリンの分泌が保たれている場合に服用します。「経口血糖降下薬」は体内に吸収されると、すい臓や肝臓、腸へ作用し、血糖値をコントロールしてくれます。「インスリン注射」は、すい臓からインスリンの分泌が行われない場合、食事療法と運動療法および経口血糖降下薬の投与では血糖値のコントロールがうまくいかない場合に行われます。